で、次に勤めることになった会社は5人の小さなデザイン事務所でありました。
小さなといっても社長は下手すると「先生」と呼ばれたりするようなちょっとした大御所で、
名だたるコンペの審査員をしたり、サロンやクラブの会員だったり、
実際に大学の教鞭を勤めたりして、業界に教え子を次々に輩出しているような方した。
自分たちは普段、オッサン呼ばわりしてたけども・・・。勿論本人のいないところで。
そこでは徹底的に資料探しということをしました。
以前勤めている会社とはそこが違いましたね。
定期的に購入している雑誌はVOGUE(イタリア版)やマリ・クレール(フランス版)や
ハーパースバザー(アメリカ版)やライフやナショナルジオグラフィックスやらで、
日本の雑誌は、唯一家庭画報だけでした。
年がら年中資料探しをしていると、
そのうちに山のようにある雑誌や年鑑が頭の中に住み着くようになり、
こんなシーンのこんな人物は、なんの雑誌の何年何月号のどのあたりに載っている。
などというカルトな芸当が自然と身に付くようになっていましたっけ・・・。
ちょうどハーブリッツやリンドバーグやスティーブンマイゼルが
ブイブイ言わせているころで、スーパーモデル
なんて 言葉が登場したころでもありました。
さて、このところやけに見かけるMAUBOUSSINの広告です。
修行時代、うんざりするほど資料探しに明け暮れていた日々を
思い出させてくれる広告写真です。堂々としたストレートなポートレイト。
VOGUEの表紙のクオリティーですね。
誰を誰に撮ってもらおうか。
それだけで企画になるようなバブルな時代でもありました。
2010/04/14/hittaka@desk