ハングタイム・ライターズ
何も見ない日はないのです。何も思わない日はないのです。
何も見ない日はないのです。何も思わない日はないのです。
人は退屈を嫌う。
退屈は死をイメージさせるからだ。
冬は夏より退屈で、夜は昼より退屈で、雨は晴れより退屈である。
だから一般的に冬や夜や雨は嫌われる。
雨や夜や冬は死をイメージさせるからだ
人は退屈しのぎに精をだす。
退屈しのぎのために生きてるようなもんだ。
人は楽しみを求める。楽しみとは刺激だ。刺激とは変化だ。
結婚も子供も退屈しのぎの手段だと言うむきもある。
一週間幸せになりたいなら豚を一頭ほふれといい、
一年幸せでいたければ妻をめとれといい、
一生幸せでいたければ釣りを覚えろと言うむきもある。
その昔、東洋の賢人達は
水に手をつけて長い時間思索にふけったという。
そんな話も聞いた。
古今東西、人は退屈を恐れてきたのだ・・・。
明日、世界が滅びようとも、君は林檎の樹を植える。
と先生は言った。
どんな状況にあっても希望を失わない。
といいながら、絶望とは絶対的な退屈のことなのだと想像させる。
だから自分は樹を植える。
自然は絶えず変化する。飽きることがない。退屈しない。
人は変化を見ていたくて生きている気さえしてくる。
灰色の枝に乳白色の芽が息吹くのを見たいのだ。
枯葉がやがて土になり、その凍えた土から
蒼い芽が生まれてくるのを見たいのだ。
2012/03/14/hittaka@desk