大学に通うようになって、一人暮らしするようになって、時折実家に帰ってくることがあって、帰ってきてもたいてい高校時代や中学時代のツレたちとあちこち遊びに行って、家にいる時間なんかさほどなく。大した会話もないが、まぁ、子供なんてそんなものか、大学生なんてそんなものかとたいして気にもしていない。自分もそーだったわ・・・。夜中に風呂に入って出てくると、小僧が一人り薄暗いリビングで録りためていた映画からなにかを見ており、お、コクリコか?なんて声をかけると、あぁ、なんて一応反応はあり、まぁそういえば宮崎巨匠の作品がアカデミー賞なんか受賞してタイムリーだわな。などと思いつつ、自分もジブリ好きだし、コクリコ坂も好きだし、好きで何度も見たはずだが、しばらく見ていないと、見るたびにそれなりに面白かったり、忘れていたり、改めて気づかされたりして楽しめると、なんとなく一緒に見ている。しばらくすると桜木町なんて実際の地名駅名が出てきたりする。宮崎さんの映画はナウシカはどこかヨーロッパ的、ラピュタもそう。トトロは日本。もののけも日本。魔女の宅急便は地中海。紅の豚も地中海。ポニョは日本ちゃぁ日本か・・・なんとなく時代も場所も、なんとなくであって、そこまで限定的でなく、それゆえに想像を豊かにして共感と没入を自由にしてくれる。それでいてこのコクリコは1963年東京オリンピックのポスターが出てきたり、桜木町駅がばっちり出てきたりと、ピンポイント情報があったりする。そういえばと「桜木町駅の近くの高校って、案外お前さんの高校と近いかもしれんぜ」って言うと「いや、その話はあって、有力モデル候補1,2の筆頭らしい」とのこと。ふーん。知らんかったわ・・・。なんてほのぼの会話が少しあって、じゃ、おやすみ。って先に寝る。
20240321hittaka@desk
ハングタイム・ライターズ
何も見ない日はないのです。何も思わない日はないのです。