デジカメができて、ほどなくしてケータイでも写真を撮るようになって、
あっという間にスマホが市場を席巻して、そのスペックは日進月歩で。
誰もが写真を撮るようになって、撮れるようになって、
それを共有したり、発表したり・・・。
あっという間に皆カメラマン状態になって、それはつまり言わゆる
「有/難い」という存在と逆の方向に位置づけられるようになりました。
職業カメラマンさんも大変なことだと思います。
広告がとかポスターがとか言うのと同じように「写真」の価値や「撮影」の価値が
ガラリと変わってしまいましたね・・・。
さて前々より電車の中の乗客皆スマホとにらめっこになり、
当然駅貼りのポスターや中刷り広告などの価値はその興味対象から
少しづつ離れていき、同比例的に媒体的価値も下がり、出稿する企業も減っていき、
そのスペースを埋めるのは自社のものであるJRのものが目立ってくるのは
寂しいかな自然な成り行きのことでありました。
画像はこの春の新幹線の広告。
駅貼りのポスター。
こんなビジュアルは生活の中で通りすがりに
スマホでパシャっというわけにはいきません。
考えて、準備して、待って、チャンスをものにした、
狙いをもって欲しいものを手に入れた。
まったくもって「有/難い」ビジュアルです。
これはちょっと素通りできません。
今はともすればオールドスタイルのクラフトマンシップなクリエイティブと
いわれてしまいがちなアプローチかもしれませんが、
それでもやはり、美しさはチカラ。
デジタルを駆使した統合的なアプローチの中心にある
一つのビジュアル。一つのコトバ。
そこに強さ、大きさを求めるのは必の然であろうと思う夜のホームでありました。
hittaka@desk