ハングタイム・ライターズ

何も見ない日はないのです。何も思わない日はないのです。

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蝶が岳 山行/二日目/下山 2014/09/07

二日目。
昨日日没辺りから降り出した雨は、
強い風をともなって、一晩振りつづけた。

雨の中のテント撤収か?と覚悟もしたが、
明け方なんとか低気圧は通過して雨はあがった。

家に帰ってからニュースで知ったのだが、
日本近海の太平洋上で発生した台風から伸びる前線の影響でありました。

結果的には、
初日好天のなかの登り。
日没後、一晩雨。
二日後、雨上がり、再び好天の中、下山という
見事なタイミングの蝶が岳チャレンジ。

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朝、日の出の時間。5時半くらい。
テントのベンチレーターから外を覗く。


chougatake20140907-2 (2).JPGのサムネール画像

換気を十分にして、スペースを空けて朝食をとる。
クイックパスタ。きのことカボチャのクリームスープ。

隊長は一足先に撤収を済ませ、小屋で朝食の様子。
サスガです。


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テントを撤収して、テン場を後にする。
朝もやの中にカラフルなテントたち。


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小屋で隊長と合流し、錦織圭がフェデラーを破ったというニュースに驚き、
雨は上がったものの、もやと雨露で濡れるでしょうからと
レインウェアを装備し出発。
7:20


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お世話になった蝶が岳ヒュッテを振り返る。


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天気予報で、この後は回復の予報。
雲の動きが速い。
森に入る前になんとか北アルプスオールスターズの
朝の雄姿を見れぬものかとちょっと立ち止まって粘る。

見えそうで見えない。
雲が抜けそうで抜けない。

後ろ髪引かれつつ、再出発。
7:40

2664mの蝶が岳から、徳澤1562mまで、
一気に1100mほどを下る長塀(ながかべ)尾根ルートである。

初日にできたかかとの靴ずれは下りのほうが痛みは弱い様子。

まぁ、泣き言を言ってもだれが助けてくれるわけでもないので、
「餓狼伝」直伝の
「少し我慢できる。ということは永遠に我慢できるということなのだ」
を心に唱えながら歩を進める戦法で行く。


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途中、植生の観察。
野生のブルーベリー。


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ホントにそうかな?
と隊長。


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竜胆(りんどう)。


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長塀山(ながかべやま)のポイント。8:30


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クリスマスローズの原種だろうか?
ワイルドである。


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雨と雨の間の初秋の登山。
そこは、きのこの山でもありました。

うまそう・・・・。でも、食べられるかどうかはわからない。


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でかくて、りっぱ・・・。でも、わからない。


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ほんのりピンク・・・。も、わからない。


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遊園地にある作り物。のようである。


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これは、キノコではない。・・・と思う。
が、じゃあなんだ?と聞かれても、わからない。


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形もさまざまである。


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質感もさまざま。


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きっと、どれかは食べられるのだろうな・・・。
なんてずっと思いながら、ひたすら降りる、下る。


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あぁ、こんなにてらてらと光って、シズル感たっぷり・・・。
誰かに「それは食べられますよ。おいしいですよ。絶品ですよ。」
と、言ってもらいたい。


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隊長は、「ニリンソウとユキノシタとトリカブト」の研究。

これは、きっと、その中のどれかなのだが・・・判別不能・・・。

と悶えている。


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地面ばかりに生えているわけではない。


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これは、いかにも食べちゃぁいけません。
って顔つきだけど、ホントのところはわからない。


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もう、とっくに膝がわらわらとワラってきている。
もう、ぼちぼち区切りがほしい・・・。

なんて思いながら雨上がりで歩きにくい下り坂を歩いていると
林の間から赤い屋根が見える。

徳澤のロッジだぁ!!!
お疲れ様の10:40
およそ3時間で1100m下ってきました。

やった。俺はやった。俺は降りてきたぞ。
この笑っているひざを笑いたければ笑え。

俺はおりてきたぞぉぉ・・・。

と、心の中で静かに叫ぶ。


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昨日ソフトクリームを食べた小屋で、
お疲れ様の昼食。
ビール飲んじゃおっかなぁ・・・。
カレー食べちゃおっかなぁ・・・。


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メガネ男子二人でカレー&生ビールを撮り合うの図。
再び、平和である。

ここまできたら、こっちのものである。


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歴史と伝統の北アルプス。上高地。
最高においしいビールとカレーをごちそうさまでした。


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ここからはほぼ平坦な、昨日来た道を帰るのである。
11:20


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標高差1000メートルの山を歩いて降りてきた者にとっては、
2時間であっても平坦な道は散歩のようなものである。


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12:00明神池前を通過。


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川がきれいねぇ・・・
なんて心の余裕が現れる。


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河童橋まで到着。
河原で泥だらけの靴を洗い、
川沿いの「上高地アルペンホテル」で風呂に入る。

なぜ山に登るのかと聞かれたら、
「下山して温泉に入りたいからなのだ」と答えたい。
「そして冷たいビールをキューっと飲みたいからなのだ」と答えたい。

山に登ってテントに泊まって、
ろくに着替えもしなくて平気なのか?と聞かれたら
「下山してふもとで温泉に入るから平気なのだと」
「その感動をより高めるために我々は着替えもせずにいるのだ」と答えたい。

そして、実行

靴を脱ぎ、脚を伸ばし、背を伸ばし、
顔を洗って、体を洗って、下山の喜びをひたすらにかみしめる。

なぜそんなに重い荷物を背負うのか?と聞かれたら、
「何キロも、何時間も歩いて、下ろした後の体の軽さをを味わうためだ」
と答えたい。
なぜそんなにごつい靴を、痛い思いをしてまではくのか?と聞かれたら、
「痛い思いをして、窮屈な思いをして、それでも歩き続けてきた後の
脱いだとの開放感を味わいたいのだ!俺は自由なんだ!と感じたいのだ」
と答えたい。


なんてことを、缶ビール2本も飲んで気持ち良くなった頭で考えている。


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上高地バスターミナルまでは、すぐ。
はき替えたサンダルでぺたぺたと歩いて行く。

バスの時間まで、お焼きをおやつに再びビールを飲む。

3リットルくらい汗をかいているので、スポンジが水を吸収するように
ビールが体に吸い込まれていく。


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予約したバスに乗る。
ローカル線の松本電鉄を乗り継ぎ、JR松本駅に向かう。


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鉄道娘はその方面ではすっかり有名だそうだ。
http://tetsudou-musume.net/
興味のないおじさんにとっては、少し気恥ずかしいぞ・・・
なんて思いながらも勇気を出して写真を撮る。

松本駅で駅弁とおつまみとビールを買い、特急電車に乗車。

途中電車が鹿と衝撃(衝突ではなく衝撃)というアクシデントがあり、
予定より30分ほど遅れて新宿に到着。
10:30

それでも、渋滞に巻き込まれてピクリともしないバスの帰路よりも
よほど精神衛生上はよろしい。


いろいろと思いだしながら、ビールをよく飲み、
課題(おもに靴ずれ問題)も見つけた蝶が岳でありました。


2014/09/hittaka@desk

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