引越しのための片付けを少しづつ進めていくうちに、
手紙を押し込めた箱に行き着く。
子供のころの手紙は、さすがになかったけれど、
高校の頃からの手紙が残されていた。
もうお互いに連絡をとらなくなり、付き合いのなくなった古い友人たち。
結局、家族からの手紙いくつかを残して、すっかり処分した。
処分したあとで、
「もう二度と手に入らぬ、唯一無二のものをなくした」
という言葉が浮かんで、少しひるんだ。
いつまでもこだわっていてもモノが片付けない。
と自分に言い聞かせて、その思いを消した。
震災前の出来事。
今ならきっと、捨てられないでいるに違いない。
2011/04/12/hitaka@desk