いや、VFXの進化のおかげで、もう、
今の映画はなんでもありなわけです。
昔は粘土細工で一個ずつ動かしていたものが、
いま、CGの進化でやりたい放題なわけです。
SFの愉しみは、その、「ありえない世界」のお話を
人間の頭のなかで勝手に映像化して喜んだり怖がったりするもんです。
いや、SFに限らず、時代物もパニックものもみんなそう。
自分の想像力の分だけ喜びも恐怖も驚きも拡大するんです。
でも、あまりに精巧な映像はそこに想像をつけたす領域を与えなくなってしまうんです。
ここまで映像技術が進化すると、嘘も本当も境目がなくなっちゃう。
リアルもバーチャルも定義さえ曖昧になってきちゃう。
月面着陸もUFOも宇宙人も恐竜も竜巻もシーラカンスも
驚きがなくなっちゃう。
驚きがなくなると、喜びも失望もなくなっちゃうんです。
完成度と感動は正比例しないもんです。
あ、アイアンマンの内容とは、まったく関係ない話ですけどね。
こういうおもちゃのような映画はそれはそれで愉しむのがいいんです。
2011/02/14/hitaka@desk