ハングタイム・ライターズ

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ニシグチtenkoノリコ

フィルムラッシュ:ノルウェイの森

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出ました。

これほど賛否両論が沸騰すること必至の原作の映画化。
正直、私もこの作品を映画化できたら、プロデューサー辞めても良 いと思ってました。
そう言った意味でも、誰に何を言われようと、
この作品のプロデューサー・アスミックの小川さんを尊敬します。
『ワタナベ』役を松ケンにしたのも素晴らしい。
彼ほど、役ごとその世界に連れて行ってくれる俳優は滅多にいないと思います。
と、手放しで褒めるのはこれぐらい。

贅沢に作ってますよ、この映画は。
時代感を出し、四季を追いかけ、ここはこだわる、
というカットを極限まで追求して撮ってます。
究極はビートルズの原曲使用権を買った事。
この1曲分で私なんか映画3本ぐらい作りますよ、とイヤミ言います(貧乏だな)。

しかし...しかし......しかし!
この曲使用の制限って何かあったんでしょうか?
どうして原作の「最後のお弔い」というシーンがないのでしょうか?
シーンとして必要ないと判断したのか、必要なければ、この曲自体が必要だったのか?
大いなる謎。
ここまで何のこっちゃの物語で映画を終らせて良いものでしょうか?

いや、この原作はそれだけじゃないはず。
生命力の固まりのような「緑」と、死に取りつかれた「直子」の対比を、
原希子と菊地凛子に託して良かったのでしょうか?
ベトナム人監督:トラン・アン・ユンの言う事に一切逆らえなかった、
という事情は漏れ聴こえて来るので、
これ以上文句つけるのは関係者に申し訳ないのだけれど、
それって観客には関係ない事でもあるので、どうにももどかしい。
演じた上に文句までつけられる菊地凛子にも申し訳ないのですが、
ホントに......もう......ダメよ、
彼女を直子にキャスティングしちゃ。
確かに妄執に囚われて行く様を演じたのはすごいけれど、
「どうしようもないほど心を奪われる」
という女としての魅力からは遠くないか?
それって私の思い違い?

後、これはどうなってる、あれはどうなんだ、
と言いたい事は山ほどあるのだけれど。
......まあ、いいよ。
どこまで文句つけても、これを手がけた人にはかなわないのだから。

2011/01/05/tenko

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