使用前・使用後という言葉があります。
広告はイメージを作り出すものでありますが、
そのためにこの「使用前・使用後」という方法論がよく使われます。
この商品を買えばいいことがありますよ。
というのが「使用後」を想像させるという表現方法。
「暑い日、お風呂上りにプシュっとよく冷えたビールを一杯」
「きれいなタレントさんが美しい髪をなびかせて歩いている」
あぁ、このビールを飲めばいっとき幸せな時間がすごせるのだなぁ。
あぁ、あのシャンプーを使えばあんなふうにきれいになれるのだなぁ。
という、普遍的王道的ど真ん中ストレートの広告表現です。
一方、この商品を買わなければ、たいへんなことになるかも・・。
というのが「使用前」をあらわにさせる表現です。
「見えないところにゴキブリが居ますよ・・・」
「見えないけれどもまな板に雑菌がいっぱい・・・」
「見えないけれども、将来事故にあったらどうします?・・・」
恐怖心や不安感を煽って(気づかせてなんていいますが)
商品購入の動機付けに結び付けさせています。
抗菌まわりの商品はみんなこれですね。
宗教や保険は不安に対抗するための、人間の英知の賜物ですが、
行き過ぎると不愉快なものです。
背中に張られた、動脈のイラスト。
生気のない、色あせたような画像処理。
呪いのような中東風の楽曲・・・。
クリエイティブ的にはエッジの効いた作りですが、
世の中的には賛否両論のようですよ。
賛否両論ある作品はそれはそれでよいのですが・・・。
2010/10/04/hitaka@desk