程度の差こそあれ、誰にでもアイドルという存在があります。
王貞治がそうであったし、江川卓がそうであったし、
北の湖がそうであったし、千代の富士がそうでありました。
立川談志がそうであったし、忌野清志郎がそうであったし
マイケルジョーダンがそうでした・・・・。
好意や憧れや畏敬が一つのかたまりになって、
胸の中に住み着くという現象なんですね。
デザインの世界では(日本では)ダントツにこのひと。
作品については、本人を知るまえに触れていました。
PARCOのポスターであり、サントリーのグラフィックであり、
何より、RCサクセションのアートワークが氏の仕事でした。
「アーティストの映像ではなくて、なぜに蜂なのだ!!!???」
しかし、そんな疑問を飛び越えるかっこよさ。
存在感。迫力。独自性。攻撃性。
そしてコムデギャルソンのアートワーク。
ファッションのブランド広告に歯を矯正している双子の女の子!!!。
村上龍がどこかで
「つまらない人間はつまらない人間としか出会えない」
なんてことを言っていて、そんなことをいつまでも覚えていて、
飯倉の交差点の近くで、通りのむこうを井上嗣也氏が
歩いていたのを見かけただけで、
何か、自分自身が救われた気がした若き時代がありました。
少し大人になって、落ち着きを取り戻したつもりでいますが、
なかなかお目にかかれない氏の個展のポスターを前に、
ついデジカメをもつ手にも力が入るのでした。
ギンザ・グラフィック・ギャラリー
「TALKING THE DRAGON 井上嗣也展」
5月31日まで。
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/schedule/g286.html
2010/05/10/hittaka@desk