ハングタイム・ライターズ

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ニシグチtenkoノリコ

フィルムラッシュ:『告白』

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ついに来週末公開。

先日マスコミ試写で見て参りましたが、中島哲也(監督)は、まさに「歩く毒」。
ここまで人間の『悪意』を表現しきるとは素晴らしい。

物語の導入から、青の基調で透明感と生命の薄さを表現しつつ、
かなりカッコいいカメラワーク。
CM界でも人気の高い阿藤さんの撮影は、
ワンカットワンカットがクリアでムダがありません。
そして「リアル」と「アンリアル」を分けるような
ハイスピードとノーマルスピードで見せられる編集は、
物語世界へぐいぐいと引き込んでくれます。

でも、始まって20分ぐらい?してから、なんだかとっても居心地悪い。
そう、人間の悪意がジワジワと押し寄せてくるこの不快感。
それでもって物語の中盤で、少しだけかいま見せる
人間の「善」な部分にホッとさせられたと思いきや、
それさえも冗談ですよと言わんばかりの演出。
もうね~、ホンットに質悪いよ、中島哲也。

それでも見終わったときに思ったのは、
「自分がこのまま映画を作っててもいいのだろうか?」という疑問。
ある種、本気で素晴らしい作品すぎて、
自分の作る物がおもちゃの存在のように思えて打ちのめされました。

松たか子って良い女優ね。
むか~し、木村拓哉と月9に出てて、
バニー・ガール姿で「タララララ~」とか言いながら、
木村君の前で花とか出す手品やってみせてたけど、
あれ見たときは「この女優は大丈夫だろうか?」と
危惧しましたが、いや、持ってるモノが違うなと思いました。
なんと言うか、「まったくの無」になれる女優というか。
ちょっとでも「自分」が残ってたりすると役にはまらなかったりするのですが、
松さんは「ゼロ」になって、その上で「役」になる、というか、
「役」である、という存在になっている、これが何ともすばらしかった。


ところで、ラスト。
あれは本当に「やった」のか、いやいや「やってない」のか、
皆さんの感想をお聞きしたいものです。

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