先にブライアン・イーノのところで
少し触れた「アンビエント・ミュージック」。
先日、30代の男子が「ぼく、アンビエント好きです」というのに、
イーノのこと全然しりませんでした。
今の人にとって、何がアンビエントなんでしょうか。
イーノはロキシー・ミュージック脱退後
事故で入院中、壊れかけたステレオでレコードを
聞いていたときにアンビエントの基礎となるものを
思いつきます。
『DISCREET MUSIC』1975年
(サティの「家具の音楽」をイーノ自身が発展させたもの。
乱暴に言えばアンビエント・ミュージックは聞く事も出来るし、
音楽として聞かない事も可能。こんなとこか。By カメオ)
以後『MUSIC FOR FILMS』 1978年(vol.2は1983年)、
『MUSIC FOR AIRPORTS』 1978年 と発表して行きます。
Music For Airports
http://www.youtube.com/watch?v=B9kPIp4MtX0&feature=related
『MUSIC FOR AIRPORTS』など、作成のためのイーノの考える定義。
• 中断可能でなくてはならない
(構内アナウンスがあるから)
• 人々の会話の周波数からはずれていること
(コミュニケーションが混乱しないように)
• 会話パターンとは違う速度であること(同上)
• 空港の生み出すノイズと共存可能なこと
• 空港という場所と目的に関係して、
死に備えられるような音楽であること(?)
※これはまさにアンビエント・ミュージックの定義。
これらを出発点にイーノのアンビエント・ミュージックは
熟成されて行きます。
最近ではiphoneのBloom(音楽用アプリケーション)を作成。
ユーザー各個人がタッチスクリーンに触れるだけで
アンビエント・ミュージックを作る事が出来る、画期的なモノ。
日本のデザイナーが同じくケータイで雫の音、
自身の演奏した打楽器が波紋のように広がる光の輪と
同調したようなモノ作ってましたが、足元にも及びません。
音が鋭利すぎ、音が複雑すぎ。光の雫が大きすぎ等々、
たんなるマスターベーションで終わっています。
アンビエントをはき違えた結果ですね。
Bloom (Create mode) by Brian Eno
http://www.youtube.com/watch?v=BM_bOfTJVGY
アンビエント・ミュージックはこれからも高度に成長した
コンピューター時代と切っても切り離せない
重要なモノとなってくるでしょうね。
*1994年にはMacの3D映像ソフト「 Headcandy 」CR-ROMの
音楽作成に参加。(以後、Macとは縁があるみたいですね。)
*2006年には音楽と映像がランダムに融合する
「77 Million Paintings」のインスタレーションで来日していましたね。
ブライアン・イーノ 1948年、イングランド生まれ。
いずれにしても今、目が離せないアーティストの一人で
ある事は間違いないです。
井上亀夫 kameo a.k.a. prince of fool's