今回は音楽のサンプリングについて。
先に触れました(『 ぼくの大好きな音楽 7 』)
Brian Eno & David Byrneの『リメイン・イン・ライト』。
実はコレより先に2人が制作に入っていたのが
『My Life in the Bush of Ghosts』1981年版。
(デザインはイギリスのデザイナー Peter Saville。
若かりし頃、彼のデザインを追って、ジャケ買い
したものです。ロキシー・ミュージックのマキシ・
シングルに傑出したもの多し。)
Brian Eno + David Byrne 「Defiant」(オフィシャル映像ではないです。)
http://www.youtube.com/watch?v=Ny7cH6_1c8I&feature=related
『My Life in the Bush of Ghosts』2006年版。
『リメイン・〜』より先に完成してたのに著作権利クリア
作業が長引いたために発売が後に。
この『My Life in the Bush of Ghosts』、
この当時、まだ全然聞いた事もなかった
音のサンプリング。コレが駆使されて
作り上げられたサウンド。
しかもその使用版権をクリアする。
音楽は新たな世界に入って行ったのです。
肝心のサウンドは今聞いても新鮮なくらい
完成度の高いものです。
イーノはこの作品の前にすでに「アンビエント・
ミュージック」作品(環境音楽)を発表していて
音のサンプリング(このときはノイズ、電子音等)を
試みていました。
イーノ&バーン2人が試みたロック・アルバム、
新たな世界を切り開く事となったのです。
コレ以降『サンプリング』は多用され
無許可で使用、法的に許される範囲内
等以降のヒップホップを含め多く使われ、
ロックに重要な表現方法になって行ったのでした。
なんか、お勉強会みたいになりましたね。
また、マルコム・マクラーレンのように勝手に採ってきて
使用する族が以降のワールド・ミュージック・ブーム時に
急増することとなるのでした。
2008年発表の『 Everything That Happens Will Happen Today 』、
サンプリングもあるだろうが全体になじんだ音作り。まさに今。
両氏の衰えのないサウンドへのこだわりが濃密に表現されています。
よりストイックなバーンの声にイーノサウンドが絡み積み、
えも言われぬロックが完成しています。
*2006年に25周年記念で再発された
『My Life in the Bush of Ghosts』にはボーナストラック
として2曲追加されましたが、「コーラン」という曲は
自粛というカタチで排除されました。時局を考えれば
当然か。とても良い曲です。旧版か、入ってる版(少数
存在してるとか)を探してみてください。
*『My Life in the Bush of Ghosts』は1954年に発表された
アフリカ人作家、エイモス・チュツオーラの同名小説にインスパ
イヤーされ作られました。まさにこれもサンプリングですね。
チュツオーラの作品は1970年に日本でも『やし酒飲み』が
出版され話題になりましたね。人として生きる指針を示して
くれていて、感激したのを覚えています。
*日本版の解説文は我が師、中村とうよう氏。
*両氏に興味ある方は。
http://www.davidbyrne.com/
・DAVID BYRNE オフィシャルサイト
http://music.hyperreal.org/artists/brian_eno/
・BRIAN ENO オフィシャルサイト
*またの機会に、イーノが初期在籍した、これまた
ぼくの大好きな「ロキシー・ミュージック」の
デカダンスなロックについても少し触れる予定。
お楽しみに。
井上亀夫 kameo a.k.a. prince of fool's