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Tanima K/I

『 ミラボー橋 』

子供の頃より大好きな詩。

人生折り返したこの頃、無性に読みたくなる。
また違った感銘をうける。


詩人ギヨーム・アポリネールの傑作詩集「アルコ ール」に収められた
一遍。原書では句読点を一切使わず表現された。
堀口大學の訳ではあえて句点が使われる。
ぼくは好きです。

この詩は画家マリー・ローランサンとの恋とその終焉を綴ったもの。
人生、恋の終わり、時の流れ、それでも川は流れる・・。
ベタだけど、すばらしいです。今読んでも鳥肌が立つ。

ぼくが大好きなくだり、「二人」のことを「われ等」と訳した
堀口大學。恐るべし。

また、シャンソンでよく歌われていますが世界中見ても
金子由香里がズぬけている。
ポエト・リーディング力、恐るべし。

作詞:APOLLINAIRE GUILLAUME、作曲:FERRE LEO ALBERT CHARLES ANTOINE


 詩集「アルコ ール」(1913)収録  堀口大學訳
  
   ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ
      われらの恋が流れる
     わたしは思い出す
   悩みのあとには楽しみが来ると

      日も暮れよ、鐘も鳴れ
      月日は流れ、わたしは残る

   手に手をつなぎ顔と顔を向け合はう
       かうしていると 
     われ等の腕の橋の下を
  疲れたまなざしの無窮の時が流れる

      日も暮れよ、鐘も鳴れ
      月日は流れ、わたしは残る

   流れる水のように恋もまた死んでいく
      恋もまた死んでゆく
     生命ばかりが長く
   希望ばかりが大きい
                                    

      日も暮れよ、鐘も鳴れ
      月日は流れ、わたしは残る

   日が去り、月がゆき
       過ぎた時も
     昔の恋も 二度とまた帰って来ない
   ミラボーー橋の下をセーヌ河が流れる
 
      日も暮れよ、鐘も鳴れ
      月日は流れ、わたしは残る

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2回目の紹介です。


井上亀夫  kameo a.k.a. prince of fool's