巨大地震の衝撃・日本よ! <この国はどこへ行こうとしているのか>
11.04.02 Sat
高村薫氏が
毎日新聞の特集ワイドに語ったコメントが
非常に興味深いので抜粋してみました。
資本主義先進国の21世紀、すぐその先にあるであろう
姿をみごとに指摘しておられます。
ぼくたちもこれからのこと、真剣に考えなくてはなりません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 井上亀夫
◉ 「これまで全く原子力問題に関心がなかったのでしょうか。
理解不足で発言にズレを感じる。いち早く原発を視察したのも、
アリバイ作りに映ってしまう。これが日本と世界にどれだけ衝撃
を与えるか。未曽有の被害が広がる津波に続く、最悪の事態かも
しれません」
◉「いつも強く思うのは、原発の技術者と私たち一般人との認識の
根本的なズレです。原発は実験室にあるわけではなく、一般社会の
なかで住民の生命と隣り合わせで稼働している」
◉「これほどの大事故がなかったのは奇跡です。安全性の根拠として
いた格納容器に損傷の恐れが発覚した今回、私たちの社会常識の方が
正しいことが明らかになった」
◉「国民はおそらく、この人たちに原子力行政を任せておけないという
思いを2度もしていると思う。計画停電の枠を広げてでも、日本中の
原発を総点検しなければならない」
◉「経験してなければ、実際の恐怖や生々しさを想像するのは無理です。
私は津波にのまれたことはないので、どんなにひどい映像を見せられても
その恐怖は理解できない。
でも、津波に襲われたらどうなるか、理性で考えることができる」
◉「人口減少に向かう今、都市を集約してコンパクトにしていかないと、
住民サービスが受けられない事態が起こりうる。新しい土地の利用や
暮らし方の価値観を考え直す時期に、この巨大地震が重なったと考える
べきではないでしょうか。
決して防災が特別で、非日常にあるわけではない」
◉「自然災害は人間の歴史の中では起こりうる。しかも、高齢化が進む
21世紀という新しい時代は、高度経済成長期とは違う暮らしの価値観が
必要だと思う。より人間のサイズに合った生活を選択する方が、より自然で
無理のない社会ができる気がして仕方ない」
〜 毎日新聞 特集ワイド 「人間サイズ」の勤め 〜