レビュー

考えるのではない。感じるのだとあのヒトは言った。

ART&DESIGNイノウエカメオ

森村泰昌氏の個展

今、広島で開催中の 森村泰昌氏の個展
「なにものかへのレクイエムー戦場の頂上の芸術」。

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2010〜2011年国内外で開催予定。

恐ろしく良いです。

ぼくは森村泰昌氏はウォーホールなき
ポップ・モダンアート界最高のアーティストと確信しております。

彼の作品を最初見た時「コレ、パロディー?」と思ったのも、
ウォーホールのキャンベルの缶詰を「コレ、パロディー?」と思ったのと
まったく同じでした。

この「〜レクイエム」は先の「女優シリーズ」と対をなすもの。

この2つのシリーズで20世紀を見つめ直しています。
まさに20世紀への敬意とレクイエム(ぼくはここでは鎮魂と
訳すのではなく「安息」が妥当ではないかと)を表現しています。


写真という筆を借り表現した、純粋/至上な絵画であることに間違いなし。

タイトルと作品自体で各々が感じ取ればそれでいいのでは。
理屈抜きのポップ・モダンアートです。


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※なにものかへのレクイエム 「独裁者はどこにいる」

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※なにものかへのレクイエム 「宙の夢/アルベルト 2」

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※なにものかへのレクイエム 「遠い夢/チェ」

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※なにものかへのレクイエム 「赤い夢/マオ」

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※なにものかへのレクイエム 「MISHIMA」


・・・・森村さん、「目」がなりきってる。いい目しています。

井上亀夫  kameo a.k.a. prince of fool's

ART&DESIGNイノウエカメオ

『 Stefan Sagmeister 』

Gデザイナー ステファン・サグマイスター。
1962年オーストリア生まれ。1993年よりNY。
CGを多用した優しいデザインから

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( David Byrne『Feelings 』1997年 )

自らの体にペイントした過激な表現まで。

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一貫してアウトサイダー的なところがぼくは好き。

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(ルー・リードのポスター。 んー、ハンドメイド。)

今、アートより表現をするGデザイナーは数多ですが、
デザイナーとして気骨ある信念を貫いてる人は・・・?。

そもそも、デザイナーの作品がアートになりうるわけがない。

アートとは生きるか死ぬかの極限で生まれるもの。
2002〜2003年に彼の母国、オーストリアで
行われた個展『 HANDMADE 』は
アートではないグラフィックの魅力を
みごとに表現した画期的な個展であったとぼくは思います。

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(Stefan Sagmeister作品集
『 Things I have learned in my life so far 』)

ぼくも頑張る。

*今後『デイビッド・バーン 2 』でサルサやストリングスの
 実験に何年も明け暮れ、発表した作品の一つ『Feelinngs』。
 加藤和彦の傑作アルバム『パパ・ヘミングウェイ』。
 両者の比較をやってみる予定。  お楽しみ。

井上亀夫  kameo a.k.a. prince of fool's

ART&DESIGNイノウエカメオ

『 デザインの今 ~EI Diablo Mag. 』

YO-KINGとCDジャケのデザインに
ついて話していて『かっこ良くてあたりまえ』。
今はそんな時代。彼に言われて
みょうに納得したことをおぼえています。

若いデザイナー、もしくはデザイナーでなくても
感性豊かな人がMACを使用出来れば
ある程度、あるいは相当のモノが出来上がっています。

これは、しがらみまみれのデザイン事務所など
必要ないということ。

それは裏原系(まだそう呼ぶ?)のショップHP、
商品、広告展開を見てもあきらか。
小さいお店でも感性豊かでいいセンスの
デザイン展開のもの数多です。

そんな今を象徴するのが
スペイン発のモーターサイクル&ホットロッド・
カスタムカルチャーWebマガジン
『EI Diablo Magazine』。
http://www.eldiablomagazine.com/

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この表紙デザインセンス見て下さい。
この色数の表現/構図・・等と古くさい
デザイナーは言いそうです(自分を含め)。

そんなこともさらりと超えて行く感性。

まさに、デザインの今。

そもそも、デザインなんて言う言葉
そのものが、もう死語かも。

クリエイトでいい。

EI Diablo Magazine NOW ONLINE!

回転を続ける地球の「今」がここにあります。


2010.05.12

井上亀夫  kameo a.k.a. prince of fool's

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『ダイヤモンド・スカル for the Love of God』

『ダイヤモンド・スカル for the Love of God』2007年発表 ダミアン・ハースト
ぼくはこのダミアンのスカルの作品には随分影響を受け
カメオベア作品にスカル何体も作り上げております。
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こちらがぼくの作品(しょぼい)。
あちらはダイヤ、プラチナ、本物の人骨、お値段120億円。
こちらは古布、スパンコール、鉄線、非売品!。
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ダミアンは1965年生まれ。
1991年に発表したセンセーショナル作品"NATURAL HISTORY"
死んだ動物をホルマリンズ漬けにしたシリーズ作品で一躍脚光を浴びましたね。
日本では原宿の原美術館が彼の作品所蔵しています。
ちなみにこの作品、永久じゃなくだんだんと解けてしまいます。
その後のリペアまで値段に入ってるかどうか知りませんが、作品として微妙です。
ま、コンセプトそのものがアートですから。(作品一点、12億くらいするらしい!)
でも、このコンセプチュアルというのがなかなかくせもので、頭の中で出来上がれば
極端に言えばそれで完成してるものだけど、
コンセプチュアル・アートとは
そのコンセプトに命をかけて具現化することで成り立つアート。
ぼくはダミアンのこの作品にコンセプチュアル・アートそのものを感じません。
何故なら、ユダヤの宝石商の原案であり、作成に対して白羽の矢がたったのがダミアン。
作り上げるのはアクセ職人。
ダミアン作だとモダンアート扱いで付加値段がつくから、宝石として扱うより・・
こんなものだと思います。真相は。

でも、スカル=死のイメージ+宝石の美。これにやられました。
ユダヤの宝石商に脱帽(ま、いいかダミアンの作品で)。
ベッカムさん、購入しなくてよかったですね。

蛇足ですが(ここから少し長いですよ)
スカル=死はみんな気になるアイテム(あえてそう言います)で、
ダミアンのこの作品のはるか前、1982年にPSYCHIC TV(1982~1996/再結成2003~)
というロックグループのファーストアルバムにも強烈なスカルが!。
(ここのリーダー、ジェネシスのこの前のグループ、
スロッビング・グリッスルもすべてが強烈です。
このグループ2004年再結成、来日したのは記憶に新しいです。)

ダミアンの作品以上にやられました。プリミティブアートブームが来る前のことです。
見て下さい。今の時代の気分に合うかは別にしてこれ以上のスカル作品はないでしょう。
まさにコンセプチャル・アート。
肝心なサウンドはポスト・パンク。ノイズ&エレクトリック&アコー。なにそれな
感じですが、以後のテクノ・アバンギャルド・ポップサウンドには多大な影響
をあたえました。
またこのグループのアルバム・アートワーク作品群は今見てもすばらしいです。
そのリーダー=頭脳ジェネシス・P・オリッジは強烈な才能?と個性の持ち主。
あまりにも過激なので1992年英国外追放になちゃいました。
長くなるので興味ある方は調べてみて下さいね。
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両者はくしくも同じ国の出。クリエーターとしてアーティストとして先輩、後輩。
行く末が気になります。

ジェネシス(男性です)
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ART  2010 03.19  井上亀夫 kameo a.k.a. prince of fool's