レビュー

考えるのではない。感じるのだとあのヒトは言った。

ART&DESIGN

『ダイヤモンド・スカル for the Love of God』

『ダイヤモンド・スカル for the Love of God』2007年発表 ダミアン・ハースト
ぼくはこのダミアンのスカルの作品には随分影響を受け
カメオベア作品にスカル何体も作り上げております。
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こちらがぼくの作品(しょぼい)。
あちらはダイヤ、プラチナ、本物の人骨、お値段120億円。
こちらは古布、スパンコール、鉄線、非売品!。
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ダミアンは1965年生まれ。
1991年に発表したセンセーショナル作品"NATURAL HISTORY"
死んだ動物をホルマリンズ漬けにしたシリーズ作品で一躍脚光を浴びましたね。
日本では原宿の原美術館が彼の作品所蔵しています。
ちなみにこの作品、永久じゃなくだんだんと解けてしまいます。
その後のリペアまで値段に入ってるかどうか知りませんが、作品として微妙です。
ま、コンセプトそのものがアートですから。(作品一点、12億くらいするらしい!)
でも、このコンセプチュアルというのがなかなかくせもので、頭の中で出来上がれば
極端に言えばそれで完成してるものだけど、
コンセプチュアル・アートとは
そのコンセプトに命をかけて具現化することで成り立つアート。
ぼくはダミアンのこの作品にコンセプチュアル・アートそのものを感じません。
何故なら、ユダヤの宝石商の原案であり、作成に対して白羽の矢がたったのがダミアン。
作り上げるのはアクセ職人。
ダミアン作だとモダンアート扱いで付加値段がつくから、宝石として扱うより・・
こんなものだと思います。真相は。

でも、スカル=死のイメージ+宝石の美。これにやられました。
ユダヤの宝石商に脱帽(ま、いいかダミアンの作品で)。
ベッカムさん、購入しなくてよかったですね。

蛇足ですが(ここから少し長いですよ)
スカル=死はみんな気になるアイテム(あえてそう言います)で、
ダミアンのこの作品のはるか前、1982年にPSYCHIC TV(1982~1996/再結成2003~)
というロックグループのファーストアルバムにも強烈なスカルが!。
(ここのリーダー、ジェネシスのこの前のグループ、
スロッビング・グリッスルもすべてが強烈です。
このグループ2004年再結成、来日したのは記憶に新しいです。)

ダミアンの作品以上にやられました。プリミティブアートブームが来る前のことです。
見て下さい。今の時代の気分に合うかは別にしてこれ以上のスカル作品はないでしょう。
まさにコンセプチャル・アート。
肝心なサウンドはポスト・パンク。ノイズ&エレクトリック&アコー。なにそれな
感じですが、以後のテクノ・アバンギャルド・ポップサウンドには多大な影響
をあたえました。
またこのグループのアルバム・アートワーク作品群は今見てもすばらしいです。
そのリーダー=頭脳ジェネシス・P・オリッジは強烈な才能?と個性の持ち主。
あまりにも過激なので1992年英国外追放になちゃいました。
長くなるので興味ある方は調べてみて下さいね。
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両者はくしくも同じ国の出。クリエーターとしてアーティストとして先輩、後輩。
行く末が気になります。

ジェネシス(男性です)
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ART  2010 03.19  井上亀夫 kameo a.k.a. prince of fool's