レビュー

考えるのではない。感じるのだとあのヒトは言った。

MUSICイノウエカメオ

YO-KING『 楽しい人は世界を救う 』 

YO-KING、彼の新譜白盤(サンプル盤)とどきました。

『 楽しい人は世界を救う 』  2010 10.13 発売。まもなくデス。

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ぼくのレビューです。

まー、よくもこんなNO天気なタイトルを付けたものです。
あきれるより、まず感心しました。彼らしい。

彼は音楽をやる事に心底感謝し、楽しんでいます。
それはデビュー当時から変わらぬスタンス。
感心します。

全体YO-KINGカラー一色。彼の真骨頂、フォークロック。
21世紀の今、コレなのが本当に彼らしい。

どんな時代もさらりと、しかも楽しみながら駆けてゆく。
足元はスニーカー。それも今はVISVIM、FBT。
うーん、本当彼らしい。

そんなさらっと感が曲全体に現れています。
また、このアルバムはイントロが隠し味。
『あ、これ!』と過去の彼の名曲のフレーバーが。
そんな楽しみ方を盛り込んでるのも彼らしい。

フォークロック・ダブなんてのもやってます。
彼らしい。

ねえ、YO-KING、本当に世界救ってよ。

こんな時代だからこそ、聞いてほしい一枚に仕上がっています。

YO-チェックですね。


井上亀夫  kameo a.k.a. prince of fool's

MUSICイノウエカメオ

『ぼくの大好きな音楽 7』

Brian Eno & David Byrne

ぼくを構成する大好きな音楽家で
重要な部分を占めるアーティスト
ディヴィッド・バーン&ブライアン・イーノ。
今回はバーン。

1976年、NY CBGB時代から
常に革新的な音楽を試みてきた
バーン率いるトーキング・ヘッズ。
http://www.youtube.com/watch?v=l5zFsy9VIdM&feature=related
「Psycho Killer」

1980年発表、歴史的ロックの名盤
『リメイン・イン・ライト』。
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ロックとアフロリズムの融合を試みたアルバム。
これを引っさげての日本でのライブ(渋谷公会堂)は、
ぼくのナンバー1ライブです。
http://www.youtube.com/watch?v=-io-kZKl_BI&feature=related

コンサートでのサポートメンバー、
Pファンク軍団のバニー・ウォーレルのファンキー・キーボードには
度肝を抜かれたのも記憶に新しいです。

この来日中、池袋西武でバーン氏に偶然
遭遇したぼくは「キブ・ミー・シグネチャー」と
サインを頂いたのも赤っ恥、記憶に新しいです。

そんなバーンが2008年再び(5たび?)
イーノと組んで出したのが
『 Everything That Happens Will Happen Today 』
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アルバムの配信方法なども革新的。

サウンドは今までのバーンとイーノ・サウンドが
濃縮された音になっています。
http://www.youtube.com/watch?v=6DQyusKTAh4&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=whRRR08A3Ac&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=06jFQMxPtxw&NR=1
http://www.youtube.com/watch?v=_Jv_RCxjhdk&feature=related
「Strange Overtones」×2曲、「Home」「One Fine Day」
(ノイズもまさにロックしている!。ソー・クール!!。)

優れた感覚でサウンドを作り上げるFRICTIONの
RECKの対局にある、計算され尽くして
作り上げられた最上のロックに仕上がっています。
とにかく音が濃厚。
このサウンドをライブでもある程度
再現出来ているのも、恐るべしバーン。

バーンは完璧主義者です。
ジョナサン・デミ監督映画(『羊たちの沈黙』の監督です)
『ストップ・メイキング・センス』1984年
全員、全ての動きが計算されたものだったらしいです。
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(オリジナル・デザイン)

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(リメイク・デザイン)

また今回のアートワークも常に革新的。
今回の『 Everything That Happens〜』のデザインは
バーン、お気に入りのGデザイナー、
ステファン・サグマイスター。
http://ww7.tiki.ne.jp/~boboy/everything-that-happens.htm
(デザイナー本人が語るメイキング・オブ。
配信による3Dデザインなどまさに近未来)

バーンは自分の中のテーマとして過去の作品から
一貫して『家』というのがあります。
バーンの名曲「ワンス・イン・ア・ライフタイム」にも
美しい家に住み〜、などと歌われていましたね。

*余談*

そんなトーキング・ヘッズのベストデザインはコレ。
『SPEAKING IN TONGUES 』1983年
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なんとポップ・アートの巨匠、
ロバート・ラウシェンバークの透明ジャケット!。
(最近の紙ジャケ CDも結構忠実再現されてる)

話しソレソレですが、透明ジャケット・デザインでは
1970年 ドイツのノイズ・バンド Faustの『FAUST』
FST-01.jpg
のデザインには流石のラウシェンバークもおよびません。
ぼくも当時3500円くらいで買った記憶あります。
アンダー・カバーの高橋さんも
マイベストとかで紹介されていましたね。
このドイツのバンドデビュー前に契約金で30万マルク懐に入り、
じゃこんなことやろうと作ったのがこのレコード。
板、レーベル、ライナー、ジャケ全て透明。
そこにレントゲン写真をシルクで
刷り上げるという本当にこった仕上がり。
デザインもいいですよね。
ちなみにセカンドは真っ黒ジャケでした。

『 Everything That Happens〜』発表後の2009年の
ワールドツアーでも革新的で元気な姿を
見せていたバーン。まだまだ目が離せません。
http://www.youtube.com/watch?v=PWZFfYc7Mpo&feature=related
「Burning Down The House」

恐るべし、クリエイター、バーン。
恐るべし、イーノ"アンビエント"サウンド。

http://www.youtube.com/watch?v=M1D30gS7Z8U&feature=related
*音楽を奏でるビルディング
(最近のアンビエントなバーン。もしかして停滞してる
ロックの未来がここにあるのかも・・・)

注)プロモーション、クリップ画像は本人たちに無関係に作成されたものも
あると思われますが、曲紹介時にイメージに合ってると
思われたものはあえてチョイスします。
  
You Tube の動画サイトではいま音楽に第三者の作成した
NON OFFICIAL VIDEO を掲載するのが流行です。
それらを楽しむのもまた、良いものです。
時代は絶えず前に、経験したことのない世界へ確実に歩んでします。
  
井上亀夫  kameo a.k.a. prince of fool's

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『ぼくの大好きな音楽 6』

ぼくのフェイバリット・アーチストの
マイルス・デイヴィス。

1975年から5年間のブランクがあり
1980年に復活。『WE WANT MILES』発表後
ポップよりだ、ロックよりだなどど言われていますが
電化マイルスも、やっぱいいです。

そんな中でも前にも紹介した
「バック・シート・ベティー」の次に好きな曲、
「Time After Time」。
http://www.youtube.com/watch?v=keQNbjyRDUk&feature=related
「Time After Time 」(読売ランド 1985。ギターソロ以降の
ミュートを外した音圧のある演奏。すごいです。)

シンディー・ローパーの名曲。
マイルスが演奏すると彼の曲になるんだよなー。
彼もお気に入りでコンサートでは欠かせない
曲となりました。クールです。
ポップ・ロック・マイルスの傑作です。

シンディーのライブ・ヴァージョン
「Time After Time」もかなりクール。いいです。
http://www.youtube.com/watch?v=m73dZFTgzX0&feature=related
Cyndi Lauper 「Time After Time」


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『You're Under Arrest』1985年
(このアルバムには「Time After ~」以外に
 マイケル・ジャクソンの曲、「Human Nature」も。これまたクール。)

井上亀夫  kameo a.k.a. prince of fool's

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『ぼくの大好きな音楽 5』

加藤和彦、彼の死は本当にショックでした。

20代の頃から聞き続けています。

加藤和彦と坂崎幸之助のバンド、和幸。
2007年の『ゴールデン・ヒッツ』、
2009年の『ひっぴいえんど』。
流石です。目の付けどころがピカイチ。

カバーで終わらせることなく
60〜70年代の音楽への解釈がまさに今です。

和幸『ゴールデン・ヒッツ』
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このジャケット、もろギルバート&ジョージ!。
60年代から最先端の革新的現代アーティスト。
少し残念なのはこのジャケットのような
フルカラー作品を作り出したのは80年代から。
出来れば空気をも切り裂くくらい緊張感に
あふれる70年代のモノクロ作品風でお願いしたかった。
今作品が一番高い現代アーティストですね。

話、それました。このアルバムの内ジャケも
曲に合わせて凝りにこっています。
恐るべし、加藤和彦。

昨年、NHKで和幸のライブを観れました。
「悲しくてやりきれない」 三線バージョン
http://www.youtube.com/watch?v=cyaC_5kMeXs&feature=related

なんというセンス!。
それと加藤の服装、60年代のフォーマルを
意識しているトム・ブラウン・スタイル。
恐るべし、加藤和彦。

彼は男性では希有な「ゆらぎ」のあるシンガー。
ボサノバなどの中南米音楽、タンゴ最高です。

本当、天才ほど・・・    合掌。


井上亀夫  kameo a.k.a. prince of fool's

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『ぼくの大好きな音楽 4』

なんとかして、一度は観たかったアーティスト。
フェラ・クティ(Fela Anikulapo Kuti)。
http://www.youtube.com/watch?v=p-SQH94Pifc&feature=fvw
http://www.youtube.com/watch?v=BPIZBcb6hQI&feature=related

総勢だと100名近くになると言われていた
フェラ&エジプト80。
NYまで行けば観れていたかも・・・

「アフロ・ビート」というカテゴリーを
作った人ですが、そんなこと関係ないです。

波のように押し寄せるグルーブ感。
白、黒関係ない極上のサウンド。

このグルーブ感、今のFRICTIONと
同じかも。

1970年当時、政治的メッセージも
より強く歌われるようになり
最後まで体制と戦い続けたフェラ
(当然フェラの武器は音楽)。
そんな中で生まれた傑作アルバム
『ZOMBIE』(1976年)

FELA and AFRIKA 70 『ZOMBIE』1976年
アートワーク、最初見たときは鳥肌が立ちました。
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実際、ナイジェリア軍と戦い続けたことを
題材とし、軍のことを「ゾンビ」と歌った
本作品のパワーは圧巻。
1997年死亡。

彼のことをさらに詳しく知りたい人は
写真家の板垣真理子氏の以下の本が詳しい。
『武器なき祈り―フェラ・クティ、アフロ・ビートという名の闘い』
2004年 三五館 ISBN 4883203115


*フェラ亡き後を息子のフェミがどこまで
 継承出来るか今後が楽しみです。

井上亀夫  kameo a.k.a. prince of fool's