レビュー

考えるのではない。感じるのだとあのヒトは言った。

BOOK

『 毛のない生活 』山口ミルコ著 ミシマ社刊

『 毛のない生活 』山口ミルコ著 ミシマ社刊

国の枠を超えてロックフェラーなどの巨大な財閥が世界を牛耳っているように
組織がますます巨大化していっているのが21世紀です。

すべての組織が防衛のために巨大化するのが今世紀、と思われがちですが
マキシマム=ミニマム。かならずその逆もまた出てくるんですねー。
その、存在意義は本当に重要です。
1975年生まれの三島邦弘氏が大手の出版社になじめず世界放浪の旅の後
2006年に立ち上げた自由ゲ丘の小さな一軒家の出版社「ミシマ社」。

この画期的な出版社のことはまた後日。

で、今日はこのミシマ社より刊行した『 毛のない生活 』の著者
山口ミルコさんのことを少々。

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彼女は飛ぶ鳥も落とすくらい有能で勢いのある編集者でした。
ある時体調の異常を訴え病院へ。
そこでガンであることの宣告を受ける。
早々に始まった放射線治療で頭の毛が抜け落ちた自分。
その事実を冷静にとらえ文章としたのがこの本です。

タイトルが流石です。
装丁が、ちょっと古臭いぞ成一さん。

この本は興味ある方は読んでいただくとして今日は彼女のミシマ社の
ウェブ雑誌「平日開店ミシマガジン」
(実はひそかにぼくのhung time timesのライバルウェブマガジンと思っています)
に連載している
「ミルコの六本木日記」
http://www.mishimaga.com/mirko-roppongi/を紹介しておきます。
ぼくたちは日常でただ健康であることの有り難さに気づいていません。
なかなか難しいですよねー。
彼女の文章を読むとぎゅうと抱きしめてあげたくなるくらい切なくなります。
また、日々の生活を送れることの感謝の気持ちが沸いてきます。

おっと、もう優秀な編集者の手の中だ。

ウェブ連載の「第33回 豆腐屋デート」は読み終わった後涙ボロボロです。

恐るべし、山口ミルコさん。


井上亀夫  kameo a.k.a. prince of fool's