レビュー

考えるのではない。感じるのだとあのヒトは言った。

MOVIE

『殺しのドレス Dressed to Kill』

『殺しのドレス Dressed to Kill』
1980年 ブライアン・デ・パルマ監督

先のMOVIEレビューでも書きましたが
1970年代後半から1980年代中盤は
ホラー、ミステリー映画も傑作ぞろい。
その中で大好きな監督がヒッチコッキアン(ヒッチコックマニア)の
ブライアン・デ・パルマ。1940年NY生まれ。
1970年には一度監督としてハリウッドデビューするんですが失敗。
失意のどん底で帰って来たNYで撮ったのがカルトムービーの金字塔
1973年『悪魔のシスターTwins(よくSistersと表記されていますが
正しくはこちら)』。
この作品が認められ、気を良くしたデパルマは撮った次次次作品
1976年『キャリー Carrie』 スチィ-ブン・キング原作
コレが大成功。で、調子にのってまたもキング原作で
1978年『フューリー The Fury』  を製作。これも大ヒット。
でもぼくは原作読む方が映画よりはるかに面白かったですけど・・
やはりキングの原作は凄いです。

(こちらオリジナルカバー、素敵です!)
dressedtokillimage75.jpg


(のちの安売りシリーズで出たカバーはヒッチコックばり
のシャワーシーンで。解ってないなー製作サイド)
961.jpg

絶好調のデパルマがさらに次次作に撮ったのがコレ
『殺しのドレス Dressed to Kill 』1980年
これはすごかった。ヒチコックファン賛否両論ですが
ヒッチコックのサスペンスとデパルマお得意の画面2分割の融合。
最後まではらはらどきどき。美しいエロティックな映像で最後まで
みせてくれました。
ぼくは映画館で一番回数見た映画がコレです。
まさに最上級のミステリー映画ですね。
1981年に『ミッドナイトクロス Blow Out』。
1984年に『ボディ・ダブル Body Double 』。
1987年にコレまた名作リメイク
『アンタッチャブル The Untouchables』。
を監督したのですが、ぼくの感想では
このあたりがピークで80年代初頭の勢い(センス)は
消え失せて行ったと思います。
でもこれだけのミステリーの名作を残してくれました。感謝です。

映画館の鑑賞が一番ですがカウチでも最高のお供請け合いです。

ここでデパルマ・ファンまめ知識を。
彼のミステリー映画の謎はすべてタイトルに隠されています。
タイトルを反芻しながら観ると、面白さ倍増です。
また、『殺しのドレス』は前半5分、目を皿にしてみると
謎が解けます。
あ、言っちゃった!。

2010 03.25

井上亀夫 kameo a.k.a. prince of fool's