ハングタイム・ライターズ

何も見ない日はないのです。何も思わない日はないのです。

hittaka@desk

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年を重ね、知識と経験が増える代わりに、
新鮮な驚きや喜びを感じにくくなることを
「知恵の悲しみ」と言うのだそうだ。

知識と経験を積むことは良いことだが、
「悲しみ」からは遠ざかる努力をしたいね。

三年前に子供の進級に合わせて郊外に引っ越した。
トンビが空を舞う。リスが木を渡る。星がよく見える。
小さな庭を持つようになって、木や花を植える。
花や植物に虫が棲み、虫を目当てに鳥も近づく。
雨の日が好きになり、ターフを張って焚き火をする。
マシュマロをあぶっておやつにする遊びもここに来て覚えた。

外遊びの延長で昨秋に槍ヶ岳に登った。
テントを買ってバーナーを買って15キロのリュックを背負って、
とにかく無事に登頂して帰ってきた。
黙々と山道を歩きながら、
人間はつくづく退屈を嫌うようにできているのだなぁと考える。
重い荷物を背負って、寒い思いをして、足にマメを作って、怖い思いをして、
誰に褒められるわけでもない山の頂上をそれでも目指すのが人間なのだ。

刺激的な出来事も日々続けば平凡になる。
自分自身を初心者の立場に置けば、
また新しい自分の側面を見つけることが出来る。
向上しようとする自分に出会うことができる。
新しい好奇心と挑戦を見つけることができる。

楽しみを与える人間は、自らを楽しみの中に。
刺激を与える人間は、自らを刺激の中に。

「仕事をするなら、遊びなされや。」

先達の言葉が身にしみる。


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