ハングタイム・ライターズ

何も見ない日はないのです。何も思わない日はないのです。

2013.10

hittaka@desk

槍ヶ岳へ。・・・三日目。槍ヶ岳下山。

二日かけて登った槍ヶ岳を一日で降りてくる。
そういう意味では、三日目が一番きついかもしれませんね。
そう隊長には言われていた。
確かに、そうだったかもしれない。

三日目を迎える夜は穏やかであった。
穏やかだったけど、一気にたっぷりとぐっすりと眠れた。
というわけでもなかった。
緊張と興奮がそうさせたのだと思う。
2時間睡眠三日目ともなれば、
落ちるように眠りについてもよさそうだが・・・。

ただ、まぁ、歩けるし、動けるし、問題ない。

5時出発を念頭に、3時過ぎからそろそろと準備を始めればいいかな。
4時からでもギリ、間に合うかな、ギリは良くないな・・などと考える。
朝飯に30分、着替え身の回りに30分。
テントの撤収30分。
水やら、靴やら、行動食やら、余裕をもった準備の時間をとる。
慣れていないから、時間がかかるのだ・・・。

殺生ヒュッテを後にする
AM:5:30
昨夕槍の登頂後に降りてきた道を上がる。
下りは20分だが、登りには40分かかる。
頭には、ヘッドランプ。

帽子の上につけたヘッドランプは
帽子のつばが邪魔して足元に光が届かない。

ほら、経験不足のやることはいちいち勝手がうまくいかなかったりする。

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登りの途中で陽が登る。

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槍ヶ岳よさらば。
殺生ヒュッテよ、さらば。

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北アルプスの山々に今日の陽がさす。
岩の道をひたすらひたすら下っていく。

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6人縦隊の4人目。
最も遅い人のペース、体力に合わせてくれる・・・。
とはいえ、帰りのバスの時間は決まっている。
できればバスに乗る前に温泉でひと風呂浴びたいというのが
全員の切なる願いである。
風呂の後でビールを飲みたいのが願いである。
温泉!温泉!ビール!ビール!を合言葉に下り道を下る。

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飛騨乗越え、6:30
登ってきた西鎌尾根ではなく、
沢沿いを一気に新穂高温泉に向かうコース。

後ろ、5人目を伊藤先輩。
プロのカメラマン。にしてキックボクサー。
その後ろ、しんがりを濱達人。
濱達人の専門は沢登り&フィッシング。
年間50張りのテント生活。
雨のなかでも暗がりでもテントを張れる域だという。
Noトレッキングポールで、腕を組みながら北アルプスを登山している。
沢登りは魚の聖域を求めて山中の道なき道を歩くこともあるのだという。

子供のころに読んだ「サスケ」の父ちゃんを思い出す・・・。

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遅い新米の後ろで余裕の2人の格闘技談義・・・。

参加したいが息が上がって参加できない自分が恨めしい。

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槍ヶ岳の影が朝の日を受けて山に落ちる。

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歩きだしたとたんに休憩したくなる。
体力。がほしい。

体力は「筋力」と「持久力」と「柔軟性」で構成されていると教わった。
持久力には「心持久力」と「筋持久力」があると教わった。
「心持久力」は「心肺機能」の持久力。
持久走が得意かどうか。って話。
「筋持久力」は筋肉の持久力。
こちらは、どれだけ長く鉄棒にぶら下がっていられるかどうか。
という話・・・。

いまの自分にはどちらも乏しいのだ。と自覚する。

山道の間の水場。
「ちょっと飲みますか?」という隊長の問いかけに、
間髪いれずに「飲みます!飲みます!」と坂上二郎ばりに答える。

AM:8:10

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途中、いくつか沢を横切る。
横切る際に視界が開け、遠く降りてきた山々が見える。

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地下を流れていたいくつかの水脈が合わさり、
地上を流れる沢になる。下りながら徐々に勾配は緩くなり、
沢のほとりを歩くようになる。
帰りのバス、ビール、温泉の時間を計算に入れながらの歩き。

単調な下りの連続に、徐々に皆の口数は少なくなっていく。


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AM:10:00
3000メートル級の山々がさらに遠くになった。
歩き始めて4時間半。
1地時間ごとの休みよりも、後れを取り戻すペースで歩く。
滝谷避難小屋あたりが一番つらかったかな・・・。

"少しだけ耐えられるということ―――――――"
"それは永遠に耐えられるということ"

という言葉を何度も繰り返してかかとの痛みをうっちゃる。
いや、漫画の中のセリフ。
「餓狼伝」を読んでいてよかった。
おかげで、
自分のおかれている状況を容易にポジティブに置き換えることができた。
おめでたいといえばおめでたいが、
おかげて愚痴ったり弱音を吐いたりしなくて済んだ。
この痛みが今、俺をたくましくしてくれている・・・・。
って、やっぱりおめでたいわ・・・。


人生の中で漫画が与えてくれた影響は大きい。
「エースをねらえ!」「スラムダンク」「BANANA FISH」・・・
漫画、万歳!


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白出沢出合をすぎて、
林道に入る。3日目の一気下りの苦難をひと山越えた。というところ。
道がフラットになり、一行の気分がカラリと変わった。

しばらく歩いて、穂高平小屋。
12:00
ここでは休まないのね。と肩透かし。
こんなところで休んでいる場合ではない。
この先に、温泉と生ビールが待っているのだ・・・。
OK!OK!

縦一列の隊列がゆるみ、横になり、前後になり、
雑談のボルテージが上がっていく。
みな余裕綽々である。

気分はついていくが、足がついていかず、
徐々に後れをとる・・・。

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ほぼ、予定通りの時間で新穂高温泉に到着。
靴を脱ぎ、着替えを取り出し、温泉に入る。
温泉で3日ぶりに頭を洗い、顔を洗い、湯につかる。

たぶん、このために山に登っているのだ。
体をさすり、痛みはないか失ったものはないか確かめる。
少しずつ自分を取り戻しながら、「安堵」やら「平穏」や「日常」を取り返す。
あとのビールはおまけ。
ラーメンもカレーもおまけ。
直近の経験を思い出す頭と目の前の楽しみを鑑賞する頭が交錯する。
忘我の中でわいわいと幻が通り過ぎていくだけ・・・。

バスの中で3日分の筋肉痛の始まりを感じる。
新宿に向かうバスの中でも、あまり眠らなかった。
眠らなくても済むのだから、眠らなくてよいのだ。

油断するなと、登山初心者の体が言っているのだ。

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台風が過ぎていった後の3連休。
登山から戻ってきてから、また台風がやってきた。
山のギアたちのメンテナンスを合間の晴れ間に行う。

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靴ずれのかかとも記録しておこう。
次の山登りに時には早めにテープを張ろう。
ケチらずにいいインナーを買おう。
そして、
フラットフッティングを身につけるのだ。

何よりも体力を身につけるのだ。
心持久力をつけるのだ。筋持久力をつけるのだ。

おれも、雑談に参加するぞー!
ぐっすり眠れる余裕の精神は、余裕の体力がもたらすのだ。

余裕が余裕を生むのだ。


山登りが教えてくれることは多い。


2013/10/hittaka@desk

hittaka@desk

槍ヶ岳へ。・・・二日目。槍ヶ岳登頂。

初日の夜は、
日没前に早々にテントに戻り、シュラフにもぐりこんだ。
外は雹(ひょう)から雪に変わり、積もりそうな勢い。
風は相変わらず強い。
気温0℃だとして、10メートルの風速だとすると、
体感温度はマイナス10℃と言われる・・・。

ピシッと張ったテントの中の安心感。に慣れてきてからは、
生きて朝を迎えること。を、考える。
3シーズン用のシュラフでは快適ぽかぽか。とまではいかない。
そりゃぁそうだ。マイナス10℃は真冬の気温だ。
で、着こめるものを着こむ。
上等なダウンなど持ち合わせていないので、レイヤー作戦。
シャツを着、長袖の下着を着、長袖ソフトシェルを着、
薄手のダウンベストを着、ユニクロのダウンを着、
その上にモンベルのゴアテックスの雨具を着た。
上半身は寒くない・・・。
持ってる着替えをさらに重ねれば、9レイヤーまで行けるな・・・
などと計算しつつ、下半身の冷えをどう守って行くか・・・。
と考える。
シュラフの中、足元に薄手のフリースを詰め、
テントとシュラフの間に靴を置き距離をとった。

雪の降りだした日没後に寒い寒い。と言っているが、
夜が明ける12時間後はさらに冷え込んでいるだろうかと想像する。
12時間もあるのかぁ・・・。と、その長さにちょっと呆然とする。

うとうとと浅い眠りを何度か繰り返す。
でも、まぁ、熟睡の時間が1時間でもあれば、OK。

勉強になったのは、3シーズン用のシュラフでは、
耐えられる寒さではなかったってことと、それを回避するためには
もっといろいろと工夫しどころがありそうだぞ。ということであった。

放射熱を生かす、エマージェンシーシートは何かと便利だそうだ。

で、雪は夜半に止み、朝テントを開けて外を見るとこんな感じ。

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この身を守ってくれた小さな我がテント。
サンキュー。

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あまりよく眠れなかったが、これから寝付けそうもないし、
このあと眠り込んで団体行動に後れを取ってもいかんので、と、
朝飯でも食べようと試みる。
AM:5:50
これも、前回の五竜岳登山のときの経験を生かして
それをそのまま、なぞってみる。
シュラフとマットを端に寄せて、その上に座る。
用意をすっかり済ませてから、入口を開けて、
ベンチレーターを開けて通気を確保してストーブの火をつける。
ほんとはイケない。と言われている。
絶対いけない。と言われている。
だから、ものすごく注意して火を扱う。
前室のほうが、テント本体に火が近い気がしての判断。

火をつけてからは大きく入口のファスナーを開ける。
コーヒーの分と、カップヌードルの分量の水を鍋に入れ沸かす。
無用に動いて火を蹴飛ばさないように。鍋を蹴飛ばさないように。

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7時に判断します。
の隊長の判断は、8時に出発。槍ヶ岳登頂を目指します。
とのこと。
了解。了解。上等。上等。
3時までに槍ヶ岳山荘まで到着すること。・・・
が目標となるとのこと。

あすは、帰りの時間があるので、登頂は目指せない。
目指すのなら今日しかない。
日没までの時間を考えると、
山荘には遅くとも3時~3時半にはついていたい。
であれば、8時には出たい。との話。

2日間お呼ばれのなかったキジうちに行き、気合を入れる。
天気はすこぶる良し。
北アルプスに朝が来る。

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雪の残る双六小屋テント場をあとに、
いざ2日目のスタート。
かかとに靴ずれができてるから、靴下を2枚はく。

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稜線まで出ると彼方に槍ヶ岳が見える。

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樅沢岳山頂。
AM9:20
これから西鎌尾根をひたすら槍ヶ岳に向けて歩く。

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みなで記念撮影を。という隊長を撮影。
予定から3時間遅れている行程だが、
いきり立ったりしないので、助かる。助かる。
突然ストイックになられて、ペース上げられても、
初心者は戸惑う戸惑う。

本日も、助けられ、見守られながらの2日目スタートでありました。

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きれいに尾根が見え、その先に槍ヶ岳が見える。
後から聞いたが、矢野先輩はすっかり今日の予定は変更すると思い込み、
深酒を決め込んで、午前中は少しぐるぐるしていたと聞いた。
それはそれでスゲー話だな。

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ハイ松とハイ松の間を歩く。
昨晩の嵐がウソのような爽やかさ。
上り下りではなく、徐々に高度を上げていく感じ。
歩きやすい。

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左俣乗越。
ここが今日の行程の中間だと想像する。
まだ中間か。と思うのか、もう中間か。
と思うのかは自分のポテンシャル次第。
まだ余裕がありましたが、
後半のほうがきつい。ということをこのあと身をもって知ることとなる。

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千丈乗越えあたりの鎖場。
山も高度を上げていくと険しさが際立ってくる。
疲れてきたころに、厳しくなってくる。という構造。
油断禁物。甘え禁物。愚痴泣き言禁物。
誰かが登ったことが自分が登ったことになりはしない。

自分の足を動かすしかない。

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ラスト1時間半の直登。きつかったっす。
山荘まで休まず登ってしまいますよ。と言われて
一枚レイヤーを脱いだものの、後半寒くて冷えました。
で、山荘までたどり着いて、ジャケット着こんで、
荷物降ろしてホッとしているところです。

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槍ヶ岳にも、小学生がいました。
この子は山頂でも一緒になりました。
2年生だって言ってました。
スゲースゲー。

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で、小休憩したあと、小屋にザックはデポして、槍の山頂を目指します。
15キロの荷物を背負ってないって、なんと身軽なことか。

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すいません、自分撮りです。
なんだか、証拠を残したくなります。
おれは今こんなところを登っているんだぞー!
みたいな・・・。

前を行く隊長が見える。

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槍ヶ岳小屋を振り返ってみる。
シンガリを副隊長がまとめる。
副隊長はひょいっと、あらよっと、朝飯前なかんじで山を登る。

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いくつかの鎖とハシゴを登って、
ついに山頂に手が届く。足を乗せる。
登頂成功!

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登頂PM:3:10
西日を受け、槍ヶ岳山頂の影が北アルプスの山々に落ちている。

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今日一日歩いてきた西鎌尾根が一望できる。
7時間かけて歩いて登ってきましたよっと。

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標高3180mで、
隊長に撮ってもらう。
よくぞここまで連れてきてくれました。
感謝感激。

しかし、顔がむくんでいるのか、こんなものか。

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家に帰るまでが遠足です。
山を下りるまでが登山です。
下りのハシゴ。
油断禁物。

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槍ヶ岳山荘のテント場はいっぱいなので、
予定通り、殺生ヒュッテまで降りてテントを張る。
昨晩のテント場は嵐だったが地面はとてもフラットで
張りやすい場所だった。
今日のテント場は岩場。
ところどころ、一坪くらいづつスペースを作ってあるが、
しかし、ごつい岩場に変わりなし。
大丈夫か!?とテント初心者はビビる。
PM:4:20
グズグズしていると暗くなる。
へっちゃらな顔をして黙々と、
さっさとテントを設営している山の先輩たちに後れを取らぬよう、
迷惑かからぬよう、心配かけぬよう、2回目の自力テント張りにGO。

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コンパクトサイズの2張りを隣り合わせて。
風をよけあいながら。のスペース利用。

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日が暮れるころから、晩飯開始。
昨日は嵐だったからできなかった夜の晩餐。
各自がストーブを持ち寄り、食材を持ち寄り、酒を持ち寄り、
つまみを温め、炒め、シェアしながら酒を酌み交わしていく。
これが楽しい。
なにごとにも熟練が潜み、観察し、話を聞いて身につけていく。
苦もなく、労もなく、「できる」という領域にたどり着くことが大事。

「実力」ということが頭をよぎる。
「優しさ」は「強さ」や「頼もしさ」がもたらせてくれる。

気温も低く、岩も冷たく、そこそこ腹に酒と炭水化物とつまみを
放り込んだところでお開き。
夏ならば、いつまでもやっていたい宴会である。

たぶん、8時ごろテントに入る。

明日は5時出発。との通達。

了解です。隊長。


つづく。


2013/10/hittaka@desk

hittaka@desk

槍ヶ岳へ。・・・初日。初テント。

いよいよ、本番をむかえる。
金曜日の夜、一度家に帰り、夕食をとり、下着を着替えて、
念入りにパッキングした15キロのザックを背負って家を出る。

バスの中ではき替えるサンダルでも平地ならてくてく歩けると知り、
家からサンダルで電車に乗る。このほうが楽だから。

新宿都庁下のバスターミナル22時半集合。23時出発。
新宿駅南口から、帰宅のサラリーマンや学生たちとすれ違いながら歩く。
15キロのザックを背負っている姿はやはり特殊な存在だと感じる。
途中のコンビニでマスクとおにぎりと水を買う。


6時間、バスに揺られて、夜明け前の新高穂温泉に降ろされる。
(標高:1090m)
あまり眠れなかったが、その分今夜テントで寝付きやすいだろうと
切り替える。気にしない。体は動く。

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てくてくとしばらく林道を歩き、登山道入り口で、登山計画書を届出す。
浅賀隊長から、レクチャー。簡単にストレッチ。準備体操。
6人のパーティー。一列縦隊で前に進む。最年長の初心者は
中央に挟まれて様子を見守られながら、前に進む。

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30分歩いて、小休憩。小休憩というよりは、
最初の水場で水汲み。
30分歩いて、ザックや身なりの確認。
これからは30分程度では止まりません。

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水を汲み、水に栄養補給剤を溶かし、
行動食をいくつか口に放り込み、
体も温まってきたので、一枚レイヤーを脱ぐ。
いよいよ、これから本格的なトレッキングなのだ。
AM:7:00

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一時間強歩いて、秩父沢にて休憩。
鮮烈な沢の水が流れている。
ふー、なんとか、まだまだ、大丈夫。ついていける。
AM:8:30

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北アルプス周辺は登山の人気スポット。
登山道はよく整備され、歩きやすい。
ポイントポイントに目印があり、
目印は登山者にとって大切なことと理解できる。
ここがどこか。ということの理解は大事なことなのだ。

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山の天気は変わりやすいという。
雲が動き、太陽が動き、レンブラント光線が降り注ぐ。

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9:35
シシウドガ原で小休憩。
かかとあたりが少し靴ずれの予感がする。
テーピングテープをを予防のためかかとに貼り付ける。

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鏡平山荘につくころには、霧が立ち込める。
小雨も降り始めてちょっと肌寒い。
標高2.300m AM:11:00

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ここで、昼食。山荘で注文。
ラーメンを食べるもの、カレーを食べるもの、両方を食べるもの。
予定よりも一時間ほど速いペース。順調順調。
山荘での情報によると、上(双六小屋)は雹(ひょう)が降っていて、
小さい子供さんは、ちょっとかわいそうかもよ。
などという会話が聞こえてくる。
ザックカバーや雨具を装備・点検して本日後半戦に出発。

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雲の動きが速い。
ちょっとした晴れ間に槍ヶ岳山頂が見えて、はしゃぐ。

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しばらくすると、また霧に包まれる。
弓折乗越にて小休憩。

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尾根を歩いて歩いて、本日の終着ポイント、双六小屋が見えてくる。
あと、ちょっと。モチベーションがちょっと上がる。

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双六小屋、テント場に到着。
やったー。と普通であれば笑顔でお疲れ様。ひとまず、
ビールでも買って乾杯!となるところ、
あろうことか、雹が降ってくる。冷たい風が強くなって吹いてくる。

初めてのテント張り。
で、
まさかの展開。

風邪などひかぬよう・・・。どころではない。
生きるか死ぬかの状況でもある。
むこうで、テントを飛ばされている人がいるとか。聞こえてくる。
氷の粒が当ってイタイイタイという声が聞こえてくる。
確かに、痛い。

覚えてきた段取り、練習した手順。
本で見た強風下、悪天候のときの注意。・・・を頭に浮かべながら
初めてのテントを張る・・・。

標高2550m 雪交じりの強風にさらされてる場合じゃない。

なんとか、組み上げて、ペグを打ち付け、綱を張り、
飛ばされないように念には念を入れて、テントの中に滑り込む。
今晩一晩、ここで、過ごすのだ。

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通常であれば、テントの周りでストーブを焚き、
湯を沸かし、つまみと酒と晩飯でやいのやいのと楽しむところ。
雪交じりの嵐の中ではそうもいかず、
双六小屋に避難して、熱燗を頂戴する。

緊張を少し和らげ、明日以降の計画を立てる。

それでも、予定より、少し早目についてよかった。

夕方、5時にはテントの中に。
翌朝の出発は予定より遅らせるとリーダーより通達。

一人12時間、不慣れで不安な夜をシュラフに包まって過ごす。

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俺だってあんなに強い風の中でテント張ったことないなぁ・・・。
って経験豊富な副リーダーが言ってたっけ・・・。

手伝おうと思っていたら、案外手早く張れてましたね。
って言われてちょっと嬉しくもあったのでした。

だって、寒かったんだもん・・・。

随分エキサイティングな初テントになったもんである。


強い風と冷たい空気とで今夜はたっぷりぐっすり眠るはず。が
あまりよく眠れなかった初日の夜でした。

つづく

2013/hittaka@desk

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槍が岳へ。・・・飯を買う。

山の上にはコンビニはない。
食堂もない。レストランもない。

山小屋はあるが、思う時間に食べられるとは限らない。
朝の三時に起きて、朝ごはん食べるとか・・・。
だから、ストーブと食糧は持参する。

そして、それも、小さく、軽くを追求する。
必要なカロリーとできればおいしくあってほしい。

この世界も日進月歩の技術進歩で、
フリーズドライもインスタントも随分とおいしくなったという。

米も、パスタも、ヌードルも、ある。
スープもコーヒーも、お湯を注ぐだけ。

山の専門店には食糧コーナーがしっかりと存在している。

ゴミは持って帰るから、
余分な包装はあらかじめはがして持っていく。
今の世の中の、過剰包装の実態がよくわかる。

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無印良品のインスタントも随分と充実している。
たぶん相当な売上と成功分野なのだと思う。

ここでは、ドライフルーツとドライナッツとスープを買った。

必要十分な食料は楽しみとともに山行の成否にかかわってくるのだ。


腹が減っては山行はできぬ。


2013/10/hittaka@desk

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槍ヶ岳へ。・・・軽量ザックを買う。

軽量バックを購入。
やはり、小さく軽くを追求。

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山のふもとまではバスで行く。
そのバスの中に持っていくものの容れ物として。
バスの中に60リットル15キロの大型ザックは持ち込めず、
バスの中には、貴重品とアイマスクと耳栓と水を持っていく。
その容れ物として。

山小屋のそばにベースキャンプを張り、ベースキャンプから
山頂を目指す際のザックとして。
縦走型の場合は大型のリュックを背負ったまま行くが、
ベースキャンプ型の場合はテントに大体の荷物は置いていく。
身軽な格好であと一息の山頂を目指す。
カメラとか、水とか、最低限の荷物を持っていく。
その容れ物として。

キュッとまとめると、握りこぶし程度のサイズ。
素材はテラテラ。だけど、ある程度の強度は必要。

berghaus [バーグハウス]
イギリスのブランドだそうで・・・。

知らなかったなぁ・・・。


2013/10/hittaka@desk

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