ハングタイム・ライターズ

何も見ない日はないのです。何も思わない日はないのです。

2011.01

ニシグチtenkoノリコ

フィルムラッシュ:ノルウェイの森

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出ました。

これほど賛否両論が沸騰すること必至の原作の映画化。
正直、私もこの作品を映画化できたら、プロデューサー辞めても良 いと思ってました。
そう言った意味でも、誰に何を言われようと、
この作品のプロデューサー・アスミックの小川さんを尊敬します。
『ワタナベ』役を松ケンにしたのも素晴らしい。
彼ほど、役ごとその世界に連れて行ってくれる俳優は滅多にいないと思います。
と、手放しで褒めるのはこれぐらい。

贅沢に作ってますよ、この映画は。
時代感を出し、四季を追いかけ、ここはこだわる、
というカットを極限まで追求して撮ってます。
究極はビートルズの原曲使用権を買った事。
この1曲分で私なんか映画3本ぐらい作りますよ、とイヤミ言います(貧乏だな)。

しかし...しかし......しかし!
この曲使用の制限って何かあったんでしょうか?
どうして原作の「最後のお弔い」というシーンがないのでしょうか?
シーンとして必要ないと判断したのか、必要なければ、この曲自体が必要だったのか?
大いなる謎。
ここまで何のこっちゃの物語で映画を終らせて良いものでしょうか?

いや、この原作はそれだけじゃないはず。
生命力の固まりのような「緑」と、死に取りつかれた「直子」の対比を、
原希子と菊地凛子に託して良かったのでしょうか?
ベトナム人監督:トラン・アン・ユンの言う事に一切逆らえなかった、
という事情は漏れ聴こえて来るので、
これ以上文句つけるのは関係者に申し訳ないのだけれど、
それって観客には関係ない事でもあるので、どうにももどかしい。
演じた上に文句までつけられる菊地凛子にも申し訳ないのですが、
ホントに......もう......ダメよ、
彼女を直子にキャスティングしちゃ。
確かに妄執に囚われて行く様を演じたのはすごいけれど、
「どうしようもないほど心を奪われる」
という女としての魅力からは遠くないか?
それって私の思い違い?

後、これはどうなってる、あれはどうなんだ、
と言いたい事は山ほどあるのだけれど。
......まあ、いいよ。
どこまで文句つけても、これを手がけた人にはかなわないのだから。

2011/01/05/tenko

hittaka@desk今日見た広告

今日見た広告:新垣結衣:東京メトロ

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あけましておめでとうございます。

2011年も、巷で見かけた気になる広告をご紹介していきたいと思います。
とかいいつつ、すっかり、町の広告の様子も変わってきました。
それも、これも、インターネットの影響ですね。
特に、交通広告は惨憺たる状況です。
昔は、もっと、駅貼りポスターなんていうと、
カッコものがいっぱいあったんですけどねー・・・。

「広告」はなくなりません。
でも、広告の形態や様相は変わります。
レコードがCDになったように。
CDがネット配信になったように。
その目的はなくならなくても、アプローチの仕方が変わってくるんです。
そこに、うまくミートできないと、広告人は職を失うことになります。

でも、
そういうときにこそ、また「差」が出来てくるものなんです。
交通広告の媒体価値はネットの存在前後では変わりました。
価値がさがったので、評価額がさがりました。
ゆえに、制作のコスト(ギャラとかね)は下がりました。
媒体効果がさがったので、一流の企業は出稿を見合わせるようになりました。
かわりに、資本の乏しい業者がそこに広告を出稿する様になりました。
そうしてこうして質のイマイチな表現が増えたのも確かです。
サントリーや資生堂と沿線の不動産屋や医者とが同じ媒体にのっかているし・・。
もっといえば、出稿そのものがなくなってきました・・・。
空きスペースがずらりと並ぶ寂しい光景なんてこともよくあります。
みんな、ポスターをみるよりも、ケータイを見ているからです。
「広告」そのものの総量(広告の情報の総量)はむしろ、年々増えています。
要は、町行くの人々のその情報の仕入先が変わってきているのですね。

ポスターの表現とケータイの表現は違うんですよー・・・!
(と、どんなことであれ、「クライアント」になった方には言いたいっす)

よいものはよい。
これは、変わりません。
そして、わかるヒトには、わかる。
これも変わりません。

こんなときにこそ、「差」が表れます。
「実力の差」というものが、混沌の時代にものを言います。
センスのいい人は、こんなときにうまくそれを利用する人達です。
そんな、きらりとひかるものを見つけたときに、
ここに紹介していきたい2011年の「今日見た広告」でございます。

2011/01/03/hitaka@desk

saoriya

Life with Wine#9:すきやきとワイン


新年、明けましておめでとうございます。

年末年始には、美味しいものをたくさん食べてしまいます。
我が家では、1年がんばったご褒美として
クリスマスに「すきやき」を食べに行くことにしています。

よしはし@赤坂
http://gourmet.livedoor.com/restaurant/8494/


歌舞伎俳優の八代目坂東三津五郎さんの元邸宅を
改築したという趣のある佇まい。
マスコミ等には露出しない隠れ家的なお店です。
昨年、ミシュランで★を獲得したそうです。

予約の時間より少し早くお店に伺い、
B1にあるBAR LOUNGE "L'OASIS"でウェイティング。
グラスでシャンパンと白ワインをいただきつつ、
すきやきに合わせる本命の1本を吟味します。
穴が開くほどワインリストとにらめっこしていると・・・
2000年グレートヴィンテージのボルドーがとってもリーズナブル!
「見つけちゃいましたか?笑」とソムリエさん。
セラーには、あと2本しかストックが無いとのこと。
迷うことなく、デキャンタージュをお願いしました。


◆Chateau d'Armailhac 2000
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フランス/ボルドー地方ポイヤック村。格付け5級。
1988年まではシャトー・ムートン・バロン・フィリップという名前でしたが、
1989年に、シャトー・ダルマイヤックに改名しました。
ラベルには、18世紀に描かれた
『小さなディオニュソス(酒の神様)』の絵がデザインされています。
セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン58%、メルロー42%と
メルロー比率が少し高い年でした。

香りも味わいも、すごいことになっています!
ブラックベリー、ブラックカラントなど黒系ベリーに加え、
杉の木、森の下生え(スー・ボワ)、甘草、ミントなどの植物のニュアンス。
さらに、たばこ、コーヒー、黒コショウなどの熟成香もしっかり。
樽香も上品に感じられ、とても複雑です。
タンニンはやわらかく、酸も控えめ。
メルロー比率の高さによるものでしょうか。
長い余韻、甘美な味わいに魅了されてしまいます。


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ようやくお席に通していただくと・・・
なんとも見事なお肉が登場!!
お肉の産地は、日によって変わるそうです。
この日は宮城産の和牛でございました。
その日に一番良い状態のお肉を吟味しているんですね。


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卵白をメレンゲ状になるまで泡立てた
淡雪のような溶き卵でいただきます。
調理はすべて、目の前で仲居さんが行ってくださいます。
お肉→お野菜→お肉→お野菜→お肉→しらたき。
あ~、もう待ちきれません!
肝心なダルマイヤックとの相性は・・・
申し分なく素晴らしいマリアージュでございました。


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デザートまでペロリといただきました。


ソムリエさんからのアドバイスによると、
すきやきに熟成ピノ・ノワールも、おもしろいマリアージュとか。
意外ですね。次回は是非挑戦してみたいと思います。


今年の年末も、美味しいすきやきとワインがいただけるよう
一年しっかりがんばりたいと思います。
今年もよろしくお願いいたします!


ニシグチtenkoノリコフィルムラッシュ

フィルムラッシュ:SPACE BATTLESHIP ヤマト

フィルムラッシュ:SPACE BATTLESHIP ヤマト
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明けましておめでとうございます。
長閑に晴れ上がった東京です。
みなさんは、お正月をどのように過ごされてますか?

お正月は映画、ということで、行ってきました「ヤマト」。
いや、噓。
実は観たのは去年の30日。
何を観て年越しするかってのが結構悩ましい選択だったのですが、
やっぱり話題に乗っとくか......ということで、わざわざ年越しに。

すごいですよ〜。
「ヤマト LOVE」な人が集まって作りました、という映画です。
「波動砲」も「ワープ!」も完璧。
デスラーの伊武雅刀もしぶい!
そこはこだわりどころよね、という所をはずしてません。
そんな「親目線」で観ればとても面白く、ヤマト漫画ファンは見逃せない作品です。

そうゆうの抜きで観たとしたら......、木村君がんばったな、という作品。
ここまで何やっても木村拓哉になる、いや、「にしかならない」という彼は、
ある種、本物かもしれません。
何やらしても「ヒーロー」=「木村拓哉」という存在として
イメージングされてきた希有な俳優(タレント?)です。

その他のいろいろは観た人の感想にお任せするとして、これだけは言いたい。
日本の映画の特にこうしたパニックものでいつも思う事。

「どうしてこの緊急時にそんなにのんびりしてるの?」
呆れるくらい、登場人物の背景を説明したり、気持ちの整理をつけたり、
主要な俳優全員のリアクションを押さえたりと、ほんとうに丁寧な演出で、
ふと『これは今、何中?』と事態を忘れそうになります。
ストーリーとしては必要なのだろうけれど、なぜか洋物の映画では
そんな風に感じたことはないのです。
命の危険にさらされていて、もうこれで今生の別れ、という時の
ハラハラドキドキ感をきっちりキープさせつつクライマックスに持って行ってくれます。

ヤマトの諸君。
君たちの都合で敵は襲ってくれないよ。

2011/01/01/tenko