但馬国、ぼくの生まれた育った地域を守ってきた
御神木が諸事情により切られた。
魂を抜く行司を経て
８月８日、台風上陸直前に切られた。
樹齢３００年。
地区の代表は断腸の思いの決断であったであろう。
ぼくらも支持した。
御神木を残す方策は限りなく考えてみた。
結果、住民の生活の安全を優先することとなった。
救いはこの御神木を切ったのが但馬国伝説の木こりであったこと。
地上でお会いしてると温和な本当に木が大好きなおじいさん。
仕事に入ると見つめる眼光するどく、若い弟子たちも一句一動に神経を研ぎ澄ます。
木に登る姿は申し訳ないが猿そのもの。早い。正確。
「よし」と号令を出し弟子に刃渡り２メートルのチェンソーで一気に切らす。
一瞬「止め」の号令の後、ワイヤリング確認。
手が振り下ろされると同時、最後のチェンソーが入る。
切った。倒れた。
倒木予定の場所と寸分たがわぬ場所（本堂と石垣の間）へ
一度もはねることなく、倒れた。
見守るぼくらのなかから一斉に拍手が。
ありがとう御神木。
ありがとう親方。
この後親方の表情は温和な老人に戻っていた。
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井上亀夫 kameo a.k.a. prince of fool's
